ソプラノ

雨の中、制服のズボンと靴を濡らしながら学校へと歩く。









「あ~あ、雨って嫌だ!なんか“だる~”ってなる・・・」




柚は水溜りを避けながら歩く。







「んん、学校行く気力なくなるわー」





俺は苦笑いして、傘を持ち直す。











―キーンコーン・・・カーンコーン・・・








学校が見えてきた時、朝の会が始まるチャイムが小さく聴こえる。








「って、えぇ!?嘘でしょ~!?」

「今時間何時や!?」




柚と俺は互いに顔を見合わせて焦り、走り出した。







―パシャンッ





水溜りを避けている暇は無く、ズボンに水の染みを造りながら走る俺達。









俺達がどんなに焦っても、どんなに急ごうとも、教室に入ったときにはもう“遅刻”扱いだった。