ソプラノ

「今日はね、サボリ!って言っても、雨だし部活できないもん」




柚は苦笑いするとザアザアと降る雨を指差した。








「あ、そか、陸上部やったもんなぁ」







俺が納得するように頷くと、「だから、一緒にいこうと思って!」と柚が言った。







「そやな、ちょっと待ってて?支度するで」







俺は傘を手にすると、玄関のドアを閉めて鍵を掛けた。






「あれ?そういえば親は?」







柚は俺が手にしている鍵を見ながらそう言った。







「あぁ、朝早くて、帰りが遅いんや、で、俺が鍵っ子」




俺は鍵をポケットにしまった。






「そっか、大変だなぁ~鍵なくしたらどうすんの?」






柚はニヤニヤと笑った。






「そしたら、柚ん家で待機やな」





俺が笑いながらそう言うと、「了解」と柚も笑う。