ソプラノ

輝く星を眺め、俺はその場を動かないでいた。









夏の、生暖かい風が、俺とフェンスの間を通り抜ける。




―あぁ、俺はこんなところで何をやっているんだろう。








俺は、急に心細くなり、フェンスから体を離した。












「陸?何やってんの?」







ふいに聞こえた声。







ゆっくりと振り向くと、そこには由希の姿があった。








「あれ?由希じゃん、由希こそ夜遊び?」






俺はポケットに手を突っ込み、由希に近付いた。









「違います~!今塾から帰ってきたの!」






由希が笑い、俺はつられて笑った。