ソプラノ

あいかわらずのろのろと歩いていた俺。









あと少しで理科室だ。










そう思いながら、学習室の前を通り過ぎた時だった。














「おい、今日の放課後だろ?」










ふいに聞こえた声。








俺は学習室前の廊下の途中で立ち止まった。












「あぁ、いつも悪いっすね~先輩。」






聞き覚えのある高い声。












「ったく、あきねーなお前も。で、今度は誰だっけ?」









“先輩”が答える。











何となく、俺はその話を聞いてはいけないような気がして、走ってその場から逃げた。











―「放課後、体育館来れるか?」






アイツが言った言葉が、頭に過ぎる。










「まさかな!」







俺は首を横に振ると、何気ない顔で授業を受けた。