翡翠の姫君




朝食も終わり、俺はセルトと後片付けをしていた。


ふと川に目をやると、エミリアが食器類を洗っていた。


捲られた長袖。
ハッキリとわかる、痛々しいほどのアザ。



それを見て俺は、いてもたってもいられず…
気がつけばエミリアの代わりに、人生初の洗い物をしていた。



思った以上に難しくて、必死で落とさない様に洗っていた時。






「…ありがとう。」




少し頬を赤らめながらエミリアは

優しく、柔らかく、綺麗に笑ってそう言った。







…知らないんだろうな。



そんな笑顔を見る度に

俺の中でのおまえの存在が

どんどん大きくなっていっている事。