来栖恭太郎は満月に嗤う

彼はどうやら、相当量の水を体内に蓄積する事ができるようだった。

その水を飛び道具として吐き出す事で武器に出来る。

その量は10リットルか、20リットルか。

正確な数字は把握できない。

ともかくあの水鉄砲がある限り、俺は迂闊にハルパスに近づく事はできなかった。

「来栖、お前は間合いを置いての攻撃手段はなさそうだものな」

再び頬を膨らませるハルパス。

奴の戦略はいたってシンプルだ。

距離を置いて水鉄砲で狙い撃ち、仕留める。

近づかせなければ一方的に俺を嬲れると思っているのだ。

「嬉しいぞ来栖。『この世界』で名の知れた貴様を、いいように逃げ惑わせ、挙句蜂の巣にして葬れる快感…この日が来るのを待っていた…」

下卑た悦楽に、醜悪な半魚人の表情が更に醜く歪んだ。