来栖恭太郎は満月に嗤う

そう。

ハルパス、そしてクレオ。

この二人はかつて、その筋の賞金首である俺を仕留めるべく、わざわざこの樹海の屋敷にやってきた者達だったのだ。

そしてこの俺の圧倒的な力に全く太刀打ちできず、命だけは奪わない事を条件に使用人となった。

負け犬は負け犬らしく、そのままへつらっていればよかった。

しかし彼らは誇りだけは一端のようで、使用人に成り下がった現在でも、復讐の牙を研ぎつつその機会を狙っている。

リルチェッタという新たな復讐者が現れた事で、ハルパスは功を焦った形となったのだ。

そんな図星を突かれた事が相当腹に据えかねたのか。

「来栖!」

先程と同様の弾丸が、次々と撃ち放たれる!

木々の幹に、愛馬の足元に、着弾する弾丸。

だがやはり、硝煙の匂いは感じない。

当然だ。

ハルパスは猟銃など使っていないのだから。