来栖恭太郎は満月に嗤う

クレオは一度だけ、目を閉じた。

リルチェッタに詫びるように。

そして瞼を開き、鞭打ちを続行する。

二度、三度と振り下ろされる鞭。

その鞭打を、リルチェッタはきつく目を閉じ、歯を食いしばって耐える。

額に玉のような汗が浮かび、痛みに膝がガクガクと震える。

その鞭打ちが十回目に達する頃。

「クレオ」

俺は執事の名を呼んだ。

「もういい」

「…はい」

僅かに安堵の表情を見せるクレオ。

背中を向けたままのリルチェッタにも、体を弛緩させる様子が感じられた。

これで罰は終わり。

やっと解放される。

そう考えた彼女達は。

「手緩いな、やはり俺自ら鞭を振るう」

俺の言葉で再び絶望へと叩きつけられた。