来栖恭太郎は満月に嗤う

足をばたつかせ、暴れるリルチェッタ。

「そんなにスカートの奥を見せ付けたいのか?暴れては下着が丸見えだ」

「えっ…!」

俺の言葉に彼女は頬を赤らめ、急に大人しくなる。

その隙に俺は鐙(あぶみ)に足をかけ、愛馬の背中にまたがった。

そして肩に担いだリルチェッタを、俺の前に座らせる。

ちょうどリルチェッタを後ろから抱きしめるように騎乗した形だ。

「っ…!」

振り返り、キッと俺を睨むリルチェッタ。

両親の仇である男と、こんな密着した状態での騎乗。

恐らくは怖気が走る、嫌悪を感じる程度の感情では済まされない筈だ。

だが彼女は、その感情をグッと堪える。

復讐を遂げる好機。

完全に二人きりになれるまで、ここは耐えなければならない。

「さて、ならば」

俺は鐙にかけたままの両足で、愛馬の腹を軽く蹴る。

「出発するか」