来栖恭太郎は満月に嗤う

「当然よ!」

アリカが吠える。

…これだから世間知らずの箱入り娘という奴は。

小さく溜息をつき。

「そうそう」

俺は喉の奥を鳴らすような、低い笑い声を上げた。

「呪眼の魔女とやらに挨拶に行かねばならんとか言っていたな。傀儡を殺られた礼がまだだとか何とか」

話の矛先を変えられた事に、アリカが更にイラつく。

その事で噛み付かれるより先に、言いたい事を言っておく。

「俺の所に来る前に、先に挨拶に行っておくべきだったな」

「はぁ…!?」

怒りが頂点に達しつつあるのか、アリカの鼻息はどこか荒かった。

その鼻息荒い彼女を見て、満足そうな笑みを浮かべ。

「お前は俺にここで敗北し、外出する気もおきなくなるほどのトラウマを抱える事になるからさ」

プライドの高い彼女に、その誇りを深々と傷つける侮蔑の言葉を投げかけてやった。