来栖恭太郎は満月に嗤う

アリカが何を言っているのかわかりかねる。

「何故、俺が命乞いしなければならん?」

「な…」

心底理解できかねるといった表情で問いかけてやると、彼女は驚愕と怒りに表情を強張らせた。

「お前ゴーレムを知らないの?知らなくてもこの巨体を見ればそのパワーがどれ程のものか理解できるでしょ?血を吸うしか能のないお前じゃ、生命なきこの巨人は倒せないわ!」

自分の思った通りの反応が返ってこなかったのが余程腹が立つのか。

苛立たしげにアリカはまくし立てる。

やはり両親の教育がよろしくなかったと見える。

世界は広い。

己が世界の頂点だなどと思わない方がいい。

「つまりアリカ」

「呼び捨てにするなっ!!」

激昂するアリカを無視して話を続ける。

「お前は俺がゴーレムには勝てぬと踏んでいるのだな?ただでかいだけの石ころに、この真祖の来栖恭太郎が無様に敗北を喫すると…そう考えているのだな?」