来栖恭太郎は満月に嗤う

アリカの表情が一瞬にして憤怒に染まる!

「来栖!お前ぇっ!」

魔槍を横薙ぎに払い、俺の首を斬ろうとするアリカ。

しかし。

「フン」

俺の首と胴体が、斬撃を受けてもいないのに分断された。

無論俺が故意にそうしたのだ。

首の部分だけを蝙蝠化させ、アリカの槍の払いを回避する。

「気に入らない事があるとコロコロと機嫌が変わる。成程…随分と甘やかされて育てられたようだ。お前の両親もさぞや手を焼いた事だろう」

「だまれぇぇえぇっ!」

ヒステリックに喚き散らし、アリカは魔槍を振り回した。

その穂先が残像を残すほどの突き、そして点の軌道から線の軌道へと瞬時に切り替わる払い。

只の子供の癇癪かと思いきや、なかなかに堂にいった槍捌き。

アリカは思いの他に優れた槍兵ぶりを見せた。