来栖恭太郎は満月に嗤う

俺の言葉に、当然使用人達は憤る。

最初に動いたのはライガン。

肉食獣そのものの動きで、鋸のように生え揃った牙で俺を捉えようとする。

無論、むざむざ食いつかれる俺ではない。

素早い回避でライガンの咬み付きを避けようとして。

「!」

寸前で、その動きが制される。

「どこへ行くのです、来栖様?」

そう言ったのはクレオ。

その身からは無数の包帯が伸びてきて、俺の体に巻きついている!

「夜はこれからです。たっぷりと楽しもうではないですか」

見た目以上に伸縮自在の上、丈夫なクレオの包帯。

その拘束に手間取っているうちに。

「ぬ!」

ライガンの牙が、俺の左腕に食い込んだ!