そう考え…俺は愛馬を駆けさせながら若干の違和感を覚える。

『この世界』で名の知れた俺を倒し、名を上げる為に集い、結果返り討ちに遭った為、使用人として復讐の機会を待っているリルチェッタ達。

…これは偶然か?

大体にして、我が屋敷『非ず者達の館』は、その存在そのものが知られていないような場所。

そこにこうも多く、俺の命を狙う者が集う。

偶然俺の存在を知り、偶然名を上げる為に俺に挑もうとし、偶然屋敷の場所を探し当て、敗北の末に偶然使用人として復讐の機会を待つ。

…俺の中で猜疑心が鎌首をもたげる。

殺し殺されの生活を送っていると、自然と疑り深くなってしまうものだ。

俺は違和感を拭いきれないでいた。