僕のマーメイド

 
 
 
語学はすべて解している。


外国はもちろん、点字も手話も。



彼女は手話で伝えてきた。



[私は詩歌(しいか)です。あなたは?]


「俺は奏音だ。なぁ、今暇か?」



詩歌はまた頷く。



「んじゃ、ちょっと聞いてくか?」



詩歌はきょとんとしていた。



そして俺は歌い始めた。


運命の女性と

めぐり合えたかも知れない。


そんな思いを詰め込んで歌った。