「本当にごめんね。それじゃぁ。」
「ちょっと待て!
お前、さっき屋上で歌ってたか?」
「え・・・?アレ聞かれてたの??
あちゃ~;;」
この声なら、
あの歌声がでても可笑しくない。
「うん。そうなの。
聞かれてたなんて恥ずかしいな。」
照れた笑みで彼女は俺を見た。
や、やばい。どうしよう・・・。
この俺がこんなワクワクしてるなんて。
「私、李乃(りの)。よろしくね。」
「あ、あぁ、俺は・・・」
「詠村 奏音くんだよね?
知ってるよ。皆が噂してたし。」
そりゃそうか。
朝、あれだけ噂立ってれば。
「それじゃ、これから仲良くしてね。」
「もちろんだ。」
そう言って『李乃』は去って行った。


