好きな人に好きだと言われてつきあうことが
どんなに幸せなことか知らなかった。








いつも友達の間…いや学校中で噂になってた長井くん。


さわやかで
優しくて
スポーツも出来て
男女ともに人気者。


あぁ付き合うならこんな人とだったら幸せなんだろうなって
漠然と思ってた。



遠征や試合で授業に出れなかった時に
たまたまノートを貸したりすることが増えて仲良くなって。


いつものお礼に、と誘われたカフェで告白された時
夢でもみてるんじゃないかって
そんな風に感じるくらいだった。





長井くんは、学校中の王子様で
その日からあたしはその王子様の彼女。


気がついたら、王子様は忙しく
彼女のあたしはいつもひとりで
その王子様を遠くから見つめているだけだった。



付き合う前と何にも変わらない距離感。