淋しがりのストレイキャット

これじゃあまるで、俺が長井と菜月を取り合ってるみたいじゃないか……?



いや、違うそういうわけじゃない。



俺はただ菜月に同情してここにいるだけだし。


今のも菜月は悪くないと思ったから言っただけで…



……って何自分に言い訳してんだよ。









「…もういいよ、みっちゃん」



自問自答を繰り返していると、今度は落ち着きを取り戻した菜月が俺を制した。


その表情はやっぱり淋しげで、でもどこか決意をこめたものだったように見える。



「…長井くん、あたしたち…しばらく距離おいた方がいいよ」

「神山…!」




そう言って走り去る菜月。

教室に呆然と立ち尽くす長井。



…そして菜月を追い掛ける俺がいた。








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