淋しがりのストレイキャット

「どうして一緒なんだって、聞いてるだろ!?」

「…ッ!」




長井が声をあらげることで怯える菜月。

普段温厚なヤツが珍しく怒るとこうだ。



加減を知らない分
余計な…無駄なダメージを与えてしまう。

修復不可能な傷をつけ、以上終了。



長井はまだその事実を知らない。

一歩下がる菜月の代わりに、今度は俺が口を出した。




「…菜月を怒鳴りつけてどーすんだよ」

「…!だいたい何で三井が神山と二人っきりで…」

「お前がほったらかしにしたんだろーが。菜月がいつもここからお前のこと見てたの、知ってたか?淋しそうに笑ってそれでもお前のことばっかりで……」





菜月を庇う台詞ばかりを羅列してから、ハッとなり真横にいる菜月を見遣った。