淋しがりのストレイキャット

「へー、保育士になりたいんだ?菜月だったらいい保育士になれそ!」

「そう?みっちゃんにそう言われると自信つくなぁ!」



でも俺はあえて菜月のその表情には触れず会話を続ける。



淋しさを自覚させれば、余計に菜月を追い詰めるだけ。




優しいようで
残酷な。



…でもこんな事を思った俺自身、自分の中に芽生えた違和感にまだ答えが出せずにいるのも事情。





ガラガラガラ……





そんな時、突然教室のドアが開き、俺は背中にひどく冷たい視線を感じた。




針のように細く
氷のように冷たく


そしてひどく闇にのまれた憎悪の視線を。