「ちょっと優奈・・・
もしかして隆臥くんとも・・・」
さっきまで完全に固まっていた零華が
教科書を持ったまま、あたしの目の前に
来た。
なんで、優奈のまわりはみんな
お金持ちばっかり・・
そんなことを言いたげな顔だった。
「ただの知り合いだから。
幼稚園のときに何度か遊んだときが
あっただけだよ。」
「・・・え~嘘だぁ!?」
「イヤ、本当だから。
ただ、親同士が知り合いらしいし。」
「やっぱり、隆臥くんもお金持ちなの?」
一般社会で育った零華は、
あたしたちのことを知らない。
もちろん、このクラスの半分は隆臥が
大倉財閥の跡取りだってことは知っている
はず。
でも、零華は誰が財閥の息子で
あの財閥の仲が悪い・・・
なんてことは知らない。
だから、零華今まで育った一般の社会とは
かけ離れ過ぎているこの世界に、
あたしのために一緒に
転校してくれたのは奇跡に近い。

