あたしだって、何回か見かけたことは
あったけど、こんなに近くで翔先輩を
見たのはこのときが初めてだった。
スヤスヤと眠る翔先輩に、あたしは
吸い込まれるように近づいていった。
今でもあの翔先輩の寝顔は覚えている。
きっとこれからも忘れることは
ないだろう。
・・・ってか絶対に忘れない
もしかしたらあたしの初恋は
このときから始まっていたのかも
しれないんだから
スヤスヤと眠る翔先輩の寝顔を
頭にやきつけ、あたしは本棚の
方へ向かった。
翔先輩が起きないように・・・
静かに、静かに慎重に本を動かす。
「ねぇ、君もサボりに来たの?」

