円陣を組み終わった翔先輩が
客席のほうを見た。
そして、すぐあたしと目が合った。
翔先輩は、あたしを見つけると
ニッコリ笑ってコートの中へ入っていった。
「やっぱり、愛する人は
こんなにたくさんの人がいても
すぐに見つけられるのねぇ。」
零華が、冷やかすようにあたしに
言った。
「別に、そんなことないよ。」
「ハイハイ。
わかりましたから
じゃあ、ちゃんと翔先輩を応援
しましょう。」
零華とのやり取りを終えると
コートの中ではもう、試合が始まっていた。
翔先輩のバスケ姿を見るのは
今日が初めてだった。
その姿はいつもの学校の姿より
何倍もカッコ良く見えた。

