先生に連れて行かれた先は、屋上だった。

ちょっと寒かったけど、風が心地良かった......



「先生?どうしてここに連れて来たんですか?」

何か話があったの?



先生は暫く何も言わないで、ただ屋上から見える景色を眺めていた。

私も静かに先生が何か言ってくれるのを待っていた。


そして、先生はゆっくりと話し始めた。

「初めはさ......ただ面白い奴だなぁってだけだったんだ。」

?

「でも、馬鹿みたいに素直で、明るくて......文句言いながら、俺の部屋で飯作ってくれたりするお前に、だんだん惹かれていってた。」

それって......

「でも、俺は教師でお前は生徒だし......お前の人生壊したくないから、一度は諦めた......けど、この間鈴木に言われた一言で、目が覚めたよ。」

智也?
何言ったんだろう......

「舞波......」

えっ?
今、名前で呼ばれた!?

「は......はいっ!」

ドキドキ......

「俺さ......お前の事が......」

ドキドキドキ......
心臓の音が速くなる。
脈があがる......
顔が熱くなる......

「舞波の事が好きだよ。」

ポロッと私の目から涙が零れた。

「七瀬!?泣く程嫌だった?」

「違います!」

私は先生に抱き付いた。

「逆です......泣く程嬉しかったんです。......私も先生が好きだから。」

それから、先生の目を見て

「もう一度、舞波って呼んで下さい。」

と言った。

「......本当可愛いな。舞波......」

「んっ......」

先生は私にキスをした。

先生とのキスは三回目。

でも、今度は事故じゃない。

だからこれが......

私と先生の初めてのキス......



ねぇ、これ夢じゃないよね?
幸せ過ぎて......どうにかなっちゃいそうだよ。