文化祭当日



ドキドキドキ......

あー。緊張する!

全身の震えが止まらないよ。



「舞波!大丈夫かぁ?」
亜希が心配そうに聞いてくる。

......駄目かも......

私のクラスの演劇は、午後なんだけど......

もう、緊張し過ぎておかしくなる!

「舞波ー。まだ文化祭の開会式も終わってないのに、緊張し過ぎー!」



うぅ。
そんな事言われたって......



「だーれだ?」

突然、誰かに目を塞がれた。

この声って......

「安東先生......?」

目の前がまた明るくなり、視界が先生の笑顔でいっぱいになった。

「当たり~。」

「ってか安東ちゃん、もう衣装着てんの?」

亜希が言って、私も気付いた。

先生......

真っ黒い魔法使いの衣装に身をつつんでいる。



「いや~。ちょっと気が早かったかな?」

ちょっと所か早すぎじゃ?
確か、開会式は制服着用でしょ?
って事は、教師も正装じゃ......

「そんな顔しなくても、開会式前には戻すよ。」

あ......
やっぱりそうだよね......



「その前に、緊張している君に、魔法をかけてあげましょう。......手をだして目を閉じて?」

?
言われた通りにする。

「1.2.3......!目あけて?」

目を開けて見ると......

「うわぁ!」

手にはカラフルな飴がたくさんあった。

「勇気でた?」

先生が聞く。



私は大きく頷く。

さっきまでの緊張が一気に消えた。



先生って、本当は本物の魔法使いじゃないの?