はぁ......

まだ先生と話せてない。

練習にはちゃんと出てくれるけど、目も合わせてくれないし、練習が終わるとすぐに何処かに行っちゃう。

追いかけようとすると、智也に邪魔されるし......



(放送呼び出し)
「2学年委員長の七瀬舞波、至急職員室に来るように。」

この声、学年委員会の副顧問の織田先生だ。

何で顧問の安東先生じゃないんだろう......

そんなに私と話するのが嫌なのかな......

そう思って、少し悲しくなりながら、私は職員室に向かった。



「悪いけど、この資料をコピーして、まとめておいてくれないか?今度の委員会で使うんだ。出来れば、今日中に。」

と私は、何十枚かの資料を手渡された。

「はい。分りました。今日中に終わらせます。......あの、安東先生は?」

私は勇気を出して聞いてみた。

「あー。安東先生なら、さっき主張に行ったんだ。放課後には帰ってくると思うから、出来たら安東先生に渡してくれ。」

......なんだ。
だから、織田先生だったんだ......

私は、これを聞いて少し安心した。

それに今度こそ、先生と話が出来そう!



「舞波ー。今日練習ないんでしょ?帰らないの?」

「うん。資料作りしないといけないの。悪いけど、亜希。先に帰ってて?」

亜希は程々に頑張れよと言って、先に帰って行った。

ごめんね、亜希......最近一緒に帰れてないから、今日は絶対に一緒に帰ろうって約束してたのに......



「舞波?」

智也が話かけてきた。何って私が言うと

「まだ帰らないのか?」と聞いてきたから、先生に頼まれて資料作りをやると説明した。

すると、智也は

「俺も手伝うよ。だから、一緒に帰ろうぜ!」と言ってきた。

手伝ってくれるのは嬉しいけど、そうしたらまた先生と話せなくなる......

「大丈夫!一人で出来るし。それに今日は一人で帰りたい気分なの......」
と、私は断った。

智也は「そっか。なんかあったらすぐに連絡しろよ?」と言って、帰ろうとしてたサッカー部の仲間と帰って行った。

......ふぅ。
早く終わらせて、先生に合いにいこう......