TVで見る俳優や女優がいると言うのに杏梨はその人たちを見る余裕などない。
人の中へ入ると、雪哉の知り合いたちに囲まれた。
知り合いに囲まれてゆきちゃんは楽しそうに話している。
わたしは逃げ出そうにもまだしっかりゆきちゃんの手に捕まっているわけで……。
でも堂々としたゆきちゃんの態度に、今まで年の差が気になって卑屈になっていたわたしがバカらしく思えてきた。
それどころかわたしってゆきちゃんにすごーく愛されちゃってる?なんて思ったりして。
自然と顔がにやけてきてしまう。
その時、視線を感じて辺りを見回す。
美咲さんだった。
きれいな切れ長の目がわたしを鋭く見ていた。
まだゆきちゃんの事が好きなんですか?そう聞きたくなる視線。
「――梨?杏梨?」
雪哉の声にハッと我に返る。
「大丈夫?疲れた?」
「ううん 大丈夫だよ」
あの人の視線が気になって返す言葉がぎこちなくなる。
「これだけ人に話しかけられちゃ疲れるよな?」
ゆきちゃんとかなり親しげに会話をしていた男の人。
年もゆきちゃんより少し上くらいに見える。
まだ彼女もいない独身だと、嘆いているのが聞こえた。
別の女性の人がお皿にお料理をのせて持ってきてくれた。
さっき頼んだ食事はほとんど食べていないから喜んで食べ始める。
ゆきちゃんはビールを数杯飲まされていた。
お酒に強いから酔ったのを見た事がないけれど、ほとんど食べていないし、今日は疲れているはずだから心配だ。
人の中へ入ると、雪哉の知り合いたちに囲まれた。
知り合いに囲まれてゆきちゃんは楽しそうに話している。
わたしは逃げ出そうにもまだしっかりゆきちゃんの手に捕まっているわけで……。
でも堂々としたゆきちゃんの態度に、今まで年の差が気になって卑屈になっていたわたしがバカらしく思えてきた。
それどころかわたしってゆきちゃんにすごーく愛されちゃってる?なんて思ったりして。
自然と顔がにやけてきてしまう。
その時、視線を感じて辺りを見回す。
美咲さんだった。
きれいな切れ長の目がわたしを鋭く見ていた。
まだゆきちゃんの事が好きなんですか?そう聞きたくなる視線。
「――梨?杏梨?」
雪哉の声にハッと我に返る。
「大丈夫?疲れた?」
「ううん 大丈夫だよ」
あの人の視線が気になって返す言葉がぎこちなくなる。
「これだけ人に話しかけられちゃ疲れるよな?」
ゆきちゃんとかなり親しげに会話をしていた男の人。
年もゆきちゃんより少し上くらいに見える。
まだ彼女もいない独身だと、嘆いているのが聞こえた。
別の女性の人がお皿にお料理をのせて持ってきてくれた。
さっき頼んだ食事はほとんど食べていないから喜んで食べ始める。
ゆきちゃんはビールを数杯飲まされていた。
お酒に強いから酔ったのを見た事がないけれど、ほとんど食べていないし、今日は疲れているはずだから心配だ。


