「ゆきちゃんっ!離してっ!」
立ち止り手を振りほどこうとした時には遅かった。
団体の中から男性が抜け出てきたのだ。
「雪哉!」
近づいて来たのは背が高く口の周りにひげを生やした男性だ。
驚きの表情の後、雪哉に会えた嬉しさからか一見怖そうに見える顔が優しいおじさまのような笑顔になった。
わたしたちの目の前に立った男性はゆきちゃんの肩をポンポンと力強く叩く。
「久しぶりだな~ こんな所で会えるとは思ってもみなかったぞ?」
「ご無沙汰しています 東さん 俺もこんな所で会って驚きましたよ」
そう言いながらも手を離そうとしている杏梨の腕は離さず、それどころかもっと引き寄せられてしまう。
「若い女の子と旅行か?羨ましいな」
東の目が杏梨を見る。
目と目があって雪哉の後ろに隠れたくなる。
「俺の婚約者の杏梨です」
前に押し出されて杏梨は仕方なくペコリ頭を下げる。
「こ、こんばんは」
「雪哉、どこでこんなカワイイコ見つけたんだ?」
「10年以上前です」
さらっと答える雪哉。
「そんな前からかぁ?モテ男にそんな過去があるとはな」
ガハハと笑う東に杏梨はあっけに取られる。
すんなりと受け入れられた?
「食事は終わったのか?まだなら食べなさい」
杏梨に聞いているようだ。
「少しだけお邪魔します」
腕はまだ離されないから、どんどん人の中へ入らざるおえない。
立ち止り手を振りほどこうとした時には遅かった。
団体の中から男性が抜け出てきたのだ。
「雪哉!」
近づいて来たのは背が高く口の周りにひげを生やした男性だ。
驚きの表情の後、雪哉に会えた嬉しさからか一見怖そうに見える顔が優しいおじさまのような笑顔になった。
わたしたちの目の前に立った男性はゆきちゃんの肩をポンポンと力強く叩く。
「久しぶりだな~ こんな所で会えるとは思ってもみなかったぞ?」
「ご無沙汰しています 東さん 俺もこんな所で会って驚きましたよ」
そう言いながらも手を離そうとしている杏梨の腕は離さず、それどころかもっと引き寄せられてしまう。
「若い女の子と旅行か?羨ましいな」
東の目が杏梨を見る。
目と目があって雪哉の後ろに隠れたくなる。
「俺の婚約者の杏梨です」
前に押し出されて杏梨は仕方なくペコリ頭を下げる。
「こ、こんばんは」
「雪哉、どこでこんなカワイイコ見つけたんだ?」
「10年以上前です」
さらっと答える雪哉。
「そんな前からかぁ?モテ男にそんな過去があるとはな」
ガハハと笑う東に杏梨はあっけに取られる。
すんなりと受け入れられた?
「食事は終わったのか?まだなら食べなさい」
杏梨に聞いているようだ。
「少しだけお邪魔します」
腕はまだ離されないから、どんどん人の中へ入らざるおえない。


