Love Step

* * * * * *



香澄と駅で別れた後、杏梨は雪哉に会いたくなった。



あと数時間もすれば会えるのに無性に会いたくなったのだ。



店には来てはいけないと言われていたが、ネイルサロンに行かなければ問題ないだろうと。



店のドアを開けた。



「あら、杏梨ちゃん」



受付の女性が入って来た杏梨を見てにっこり笑った。



「こんにちは」



ぺこりと頭を下げる。



「オーナーね?今、接客中だからオフィスで待ってて 来た事を伝えるから」



「はいっ お願いします」



2階のオフィスへ行こうとした時、琴美の姿が目に入り足が止る。




琴美も杏梨の姿を見て驚いた様子だ。



胸にファイルを抱えたまま動かない。




「琴美さん」



近づこうとすると琴美がくるっときびすを返して行ってしまった。



琴美さん……。



杏梨はとぼとぼと階段を上がり、2階のオフィスへ向かった。



* * * * * *



受付の女性はちょうど来ためぐみに杏梨の来訪をオーナーに伝えてもらうように頼んだ。



「杏梨ちゃんはオフィスにいるのね?」



「はい」



「じゃあ、伝えてくるわ」



めぐみはフロアーの方へ向かった。



雪哉の姿を探すと、ちょうどスタイリストが雪哉に意見を求めている所だった。



話し終わるのを待ってからめぐみは近づいた。



「杏梨が?」



来てはいけないと言っているのに。



「ありがとう」



雪哉はお礼を言うと、オフィスへ向かった。