Love Step

まだ心臓がドキドキしてる……。



「――梨?杏梨?」




香澄の声でハッと我に返る。




「えっ?な、なあに?香澄ちゃん」



杏梨の大きな目が香澄を見る。




「大丈夫?まだ顔色が悪いよ?」



テーブルの上に置いた手に香澄の手がのびる。



「やっぱりっ!手が冷たいよ」



「大丈夫だよ 香澄ちゃん、あの人 わたしの事覚えていなかったよね?」



「うん でもなんとなく見覚えはあるって言ってたから思い出すかもよ?」



「琴美さん、あの人と別れちゃったのかな……」



「あんな浮気男!別れた方が絶対に良いって!」



興奮してテーブルを手のひらでバンッと叩く。



「そうだよね……」



琴美さん、元気で仕事しているかな……。



「あの女の人の事なんて忘れちゃいなよ 杏梨を傷つけようとした人だよ?まったく優しいんだから」



杏梨の考えを読み取った香澄は厳しく忠告した。