Love Step

朝食も期待通りの和食で豪華なものだった。



朝早く起きてお風呂に入った杏梨は食欲旺盛で食べていく。



やりたい事もなんとなく見つかり気分が良かった。



「ゆきちゃん」



「ん?」



「わたしやりたい事、見つかったかも」



「なんだろうな?大学に行って児童心理学とか?」



「ううん、そんな難しいのはわたしに向いていないよ」



人の気持を考えるなんてわたしには難しいもん。



「辛い過去を克服した杏梨なら人の気持を分かってやれるだろう?合っていると思ったんだ そうか、違うのか……なんだろうな」



箸を持つ手を止めて雪哉が杏梨を見つめる。



「あのね、琴美さんみたいにネイリストになりたいの」



杏梨の口から琴美という名前を聞いて雪哉は驚いた。



「ネイリスト……」



以前、雪哉もそう思った事があった。



「どうしたらなれるのか何も分からないから、帰ったら琴美さんに色々聞かなきゃ」



「……腕が治ってからでも遅くないよ」



帰ったらすぐにでも会いに行きそうで雪哉は言った。