Love Step

「……本気で言っているのかい?」



「本気の本気 お風呂は広いし入っちゃえば見えないんだもん だから入ってきてねっ」



杏梨はそう言うとガラスの扉を閉めて戻って行った。



雪哉に思わず笑いがこみ上げて来た。



「っくくっ……」




あの突拍子もない天真爛漫さに時々驚かされるな。




* * * * * *



「ねっ?気持ち良いでしょ?」



少し離れた場所に座った杏梨が言った。



「あぁ 気持ち良いね 露天風呂は久しぶりだな」



「わたしなんか初めてなんだよ?露天風呂がこんなに気持ちよかったなんて知らなかった ゆきちゃん、連れて来てくれてありがとう」



先ほどの恥ずかしさはどこへ行ったのか、初めての露天風呂の感動を雪哉に伝えたくて忘れているようだ。



楽しく笑う杏梨に雪哉もつられて微笑んだ。



天真爛漫に笑っていられるのも今のうちだけなんだが。


杏梨は髪と身体を洗うことを忘れている。


片手が使えないのだから無理だろう。


ここはその気にさせるしかないだろうな……。