Love Step

「……それで話と言うのは何かな?」



少しお腹が満たされた所で春樹が切り出す。



シャンパンからビールにきりかえて飲んでいた雪哉はグラスをテーブルに置いた。



雪哉の真剣な表情に3人も手を止めた。



「杏梨を俺に預けた時点で分かっていると思うけれど」



雪哉が話し始める。



わたしのこと……?



「貴美香さん、杏梨を俺に下さい」



雪哉は貴美香に頭を下げた。



ゆきちゃん、俺に下さいって?



「もちろんあげるに決まっているじゃない」



貴美香の返事は即答だった。



もちろんあげるに決まっているじゃない?



杏梨はきょとんとした顔で2人の顔を見比べた。



「杏梨ったらなにそんな顔をしているのよ 初恋が実って喜ばないの?」



「だって、ゆきちゃんとママの会話 まったくわからないんだもん」



杏梨が不思議そうに首をかしげている。



雪哉は片手を額に置き俯く。



どうやら笑いを堪えているようだ。



肩が揺れている。



貴美香と春樹も同時に笑い出した。



「?」



「雪哉くん、本当にこんな娘で良いのかしら?」



「こんな彼女だから愛しているんですよ」



雪哉は杏梨の頭をポンポンと軽く触れた。