Ｌｏｖｅ Ｓｔｅｐ

うんざりに……嫌いか……。


雪哉は天を仰ぎ、目を閉じた。


杏梨に言われてかなり凹んでいる。


１時間も経った頃、そろそろ落ち着いただろうと雪哉は杏梨の部屋のドアをノックした。



しかし中から返事がない。



眠ってしまったのだろうか。



「杏梨？」


もう一度ドアをノックするとドアを開けた。


鍵はかかっていなかった。


「杏梨？」


ベッドにいるであろう杏梨の姿がなかった。


「どこへ！？」


雪哉は言葉を吐き捨てるように言った。


部屋にいるとばかり思っていた自分に腹が立つ。





その30分前、杏梨は白金台の駅で峻を待っていた。


何でも話せる香澄は田舎へ帰っている。


頭に浮かんだのは峻だった。



峻くんに電話をかけるのはすごく迷った。


峻くんには梨沙さんがいる。


一緒に居たらどうしよう。



それでも杏梨は峻に電話をしてしまった。