Ｌｏｖｅ Ｓｔｅｐ

「わたしのゆきちゃんを取らないでって、そんな策略をしてもゆきちゃんは貴方のものにならないと言っちゃいなさい」



「そんな……」



「杏梨ちゃん！杏梨ちゃんはオーナーを愛しているのでしょう？卑怯な手を使う彼女がいけないのよ　病室に乗り込んで言っちゃえば良いわ」



本当にそう言えば、彩さんはあきらめてくれるの？



「うかうかしている場合じゃないわ　彩さんにオーナーを取られちゃうわよ？」



この子が彼女に酷い事を言えば……オーナーは彩さんに同情するに違いない。


そうなれば、この子が傷つく。





杏梨の頭の中はめまぐるしく考えていた。


琴美さんに言われると言える気がしてきた。


ううん、言わないと……。


でも、わたしは彩さんにゆきちゃんをゆずろうと昨日まで考えていたのに……。


やっぱり取られたくない。



「……分かりました　わたし、彩さんに言ってみます」



「そうよ！その調子よ！がんばってね　私は貴方の味方よ」