「調子はどう?」



ベッドに近づく。



「……」



「姉貴、どうかしたのか?」



「どうもしないわよ!」


激しい口調の声が返って来た。



「どうもしないわけがないだろ?ケンカでもした?」



「……」


峻は答えない姉に小さくため息を漏らした。



「……そんなに辛いんならやめれば?」



姉の心の中の葛藤を読み取った峻は言った。



「えっ?」


「今回の事は姉貴が仕組んだことなんだろ?」


みるみるうちに彩の顔色が青ざめていく。



「な、何を言っているのかわからないわ」


「とぼけるなよ、こんな事して良いわけがないだろ?そのせいで苦しむ人間がいるんだぞ?」