Love Step

くそっ!

俺は何をしているんだ!



「雪……哉さん……」


壁に手をつきうなだれた雪哉に彩の小さく呼ぶ声が聞こえた。


その声に振り向く。


「彩、大丈夫か?」


彩は身体を起こして手をこめかみの所に置いていた。


「私……ごめんなさい……雪哉さんに迷惑を……」




* * * * * *



杏梨は辛さで胸が押しつぶされそうになりながら店を出た。


涙が視界を曇らせる。



ドンッ!



目の前の何かにぶつかり、身体が飛ばされそうになった。


腕を掴まれ、何とか転ばずに済む。


「す、すみません……」


急いでぶつかった相手に頭を下げた。


「っ!杏梨!?どうしたんだよ!?」


ぶつかった相手は峻だった。


尋常ではない杏梨の様子に峻は驚いた。