リビングへ入り、テーブルに乗った料理を見て雪哉は苦虫を噛み潰したような顔になった。
杏梨はそんな雪哉の表情に気づかない。
彩が雪哉にお弁当を作ってきたことに嫉妬を覚えた杏梨だが、顔に出さないように必死だった。
「ゆきちゃん、紙袋貸して?開けるから」
雪哉の手から紙袋を取ってイスの上に置いてから中の風呂敷に包まれた物を取り出す。
「杏梨、開けないでいい」
風呂敷を開けようとする手に雪哉は手を乗せて動きを止めた。
「どうして?せっかく作ってきてくれたんだよ?」
ゆきちゃんの周りの女性は気にしないって決めたんだから平気。
せっかく彩さんが作ってきてくれたから無駄にしないように持ってきてくれただけ……。
にっこり雪哉に笑うと、風呂敷の結び目に指を入れた。
雪哉は持って帰ってこなければ良かったと後悔していた。
まさか中身が今日の夕食とバッティングするとは思ってもみなかった。
テーブルの上のちらし寿司に雪哉の視線が釘付けになる。
「すごく高そうなお重だね?」
そう言いながら蓋を開けて杏梨の動きが止まった。
からあげ、ポテトサラダ……。
我が家の今日のメニューもから揚げにマカロニサラダ。
ちょっと似ているな、と思いながら二段目を見た瞬間、手にしていた一段目を落としそうになった。
出来すぎてるよ……同じメニューだなんて……。
杏梨は一段目の重箱を持ったまま動けなかった。
杏梨はそんな雪哉の表情に気づかない。
彩が雪哉にお弁当を作ってきたことに嫉妬を覚えた杏梨だが、顔に出さないように必死だった。
「ゆきちゃん、紙袋貸して?開けるから」
雪哉の手から紙袋を取ってイスの上に置いてから中の風呂敷に包まれた物を取り出す。
「杏梨、開けないでいい」
風呂敷を開けようとする手に雪哉は手を乗せて動きを止めた。
「どうして?せっかく作ってきてくれたんだよ?」
ゆきちゃんの周りの女性は気にしないって決めたんだから平気。
せっかく彩さんが作ってきてくれたから無駄にしないように持ってきてくれただけ……。
にっこり雪哉に笑うと、風呂敷の結び目に指を入れた。
雪哉は持って帰ってこなければ良かったと後悔していた。
まさか中身が今日の夕食とバッティングするとは思ってもみなかった。
テーブルの上のちらし寿司に雪哉の視線が釘付けになる。
「すごく高そうなお重だね?」
そう言いながら蓋を開けて杏梨の動きが止まった。
からあげ、ポテトサラダ……。
我が家の今日のメニューもから揚げにマカロニサラダ。
ちょっと似ているな、と思いながら二段目を見た瞬間、手にしていた一段目を落としそうになった。
出来すぎてるよ……同じメニューだなんて……。
杏梨は一段目の重箱を持ったまま動けなかった。


