Ｌｏｖｅ Ｓｔｅｐ

案内された店はオープンカフェのおしゃれなお店だった。


峻が所属するモデル事務所がこの近くにあるので良く来ていた。


店の中へ入るとカウンターの中にいるマスターに軽く手を上げて「外、いい？」と聞く。


「ああ　いらっしゃい　空いている席に座って」


そう言われて店の大きな窓の横のドアを引いた。


初めて入るおしゃれな店に杏梨は気後れしてしまう。


テーブルの側に突っ立っていると強引にイスに座らされた。


「なに飲む？」


「え？……っとアイスココア」


ちょうど水を持ってきたウェイトレスに峻は注文するとじっと杏梨の顔を見つめる。


その視線に杏梨は落ち着かない。


さっきのラーメン店とはまったく違う雰囲気。


「そんなに見ないでよっ」


「さっきは隣だったから顔が良く見えなかっただろ？」


「ううっ……どうしてわたしの事が良いの？」

杏梨は聞いていた。