Love Step

「なに食いたい?」


「ラーメン」


「はぁ?」


峻が立ち止る。


「お前、俺たちの初デートにラーメン屋だって?」


峻の考えていた食べ物とは程遠い物を言われてむきになる。


「だって食べたい物を言えって言ったじゃん それにデートじゃないもん!」


「一緒に出かけているんだからデートだろ?」


「違うっ!友達同士っ!」


峻は肩をすくめた。


「わかったよ ラーメン屋な」


男友達と行った事のある有名ラーメン店を思い出した。


「うん」


行き先がラーメン店に決まり杏梨はうれしそうな顔になる。


げんきんな奴。


「どこでもいいのか?」


「うん」


「じゃあ、3つ先の駅まで行こう 美味しいラーメン屋知ってるんだ」


今日は車に乗ってこなかった。


電車で移動した方が杏梨とたくさん話せると思ったからだ。


それに都心で駐車場を見つけるのがめんどくさかった。