どうしてっ――?



 溝口君には、知られたくなかった。

 こんな、私。

 淳兄の、こと……!



「見ないでっ……!」



 掴まれているのとは反対の腕で、顔を隠すように伏せた。


「――っ、」


 溝口君は、その腕も取って真っ直ぐにこちらを見つめる。




「俺を見て、美桜―――」




 溝口君の、熱くて真っ直ぐな瞳。


 逸らす事が、出来なかった。