最後だと告げているのに、溝口君は驚いたその顔に喜びを浮かべる。



「約束、して」

「するするっ!……よっしゃぁ!」



 ガッツポーズで立ち上がった。



「ちょ、溝口君っ」


 只でさえ目立つ溝口君と一緒にいるのに、これ以上注目を浴びたくない。
 慌てて座らせようとする。


 私の、そんな心情も知らず、溝口君は私の手を引いて走り出した。




「そうと決まれば、今すぐ行こう!」


「なっ、…いたっ!……溝口君っ!?」



 引っ張られて、椅子に足を打つ。


 夜じゃなかったの?
 てか、講義あるのに!!