説得に次ぐ説得をしてみたが、長は引かず


根負けってより時間が不味いので渋々了承してあの3人から抜け出した


オレは当初の予定通り女帝参りにいかねばならん


命がおしいから


いや、命よりももっと悲惨な




脱臼放置頑固阻止




美鈴って最初の印象と最後の印象があまりにも違いすぎてうまく人格を理解できなかったが、


手紙の内容が紛れもない本気ってのは伝わるから恐ろしい


あいつエリサの望みをオレが叶えられないってことを知ったら躊躇無くやりそうだ


だが、逆にエリサのために動ける間はあのことも黙っているって感じがする


こういうの滅私奉公っていうのかな?



まぁそんなことよりもオレはあの手紙の書き方を教えて欲しい。きっといつか使える気がする。


脅迫状とか、脅迫状とか、脅迫状とかに


そんなことを考えていたら進学科棟、別名花梨棟に入った。


お菓子みたいな名前だが、校舎に甘い雰囲気は全くなく


なんか全体的にピリピリしてる


はっきり言って空気が悪い


これが男女不仲の総本山の空気か


今から嫌なやつに会いに行くってだけで萎えるってのに


こんなとこに長居は無用だな


そんなことを思いあたりを見回す


貴族科と違い機能美って感じの校舎


偏差値順の大学一覧


センターまでの日にち


廊下には本棚に辞書と赤本


学術書まであるな


なんて面白味のない場所なんだここは


げんなりしつつ目当ての人物を探す


本当にあいつはどこに行っても目立つ


スポットライトでも当たってるかのように古川つばさを見分けた


移動教室だったらしく多くの生徒が同じように歩いているのに


あいつだけがその群衆の中にあって浮いていた


気のせいか


ここがさっきより明るくなった気がする