「各棟から門までの道の両脇に花が植えてあったでしょ?あそこから来てるんだよ」


「あぁ、そういえば咲いてたな。あれ桜だったんだ」


「違うよ」


「は?だって今植えてある花から来たって」


「スポーツ科に植えてあるのはアーモンドなんだよ」


ん?アーモンドっていえば担任に何か言われてたな


なんか色々濃いことがありすぎて思い出せない


秀がなにか言い出すのを「ちょっと待った」とせき止めて必死で思い出す


何だったっけなぁ


こういうの気持ち悪いよな


あぁ~思い出した


「長ってアーモンドだよな」


殺気。さっとノートを出し防ぐ


ガンって音をたて落ちる筆箱


ってオレのだし


そんてこと思って気を抜いたのは


今まで一回しか攻撃されてなかったから一回しか攻撃されないないって


暗黙のルールがあると思っていたからだ


暗黙のルールはなかったらしい


ゴンって拳骨が頭にヒットした


かなり痛い


まだ殴ろうとする長を止める秀


「待った。陣くんはそういう意味で使ったんじゃないと思うよ」


オレは秀が天使に見える


こいつに一生ついて行こう


「そうね。その可能性は考えてなかったわ。じゃあ、石動は言えるはずよね?」


「も、もちろん。じゃ、後は陣くん頑張って」


秀が見捨てた!?


しかも状況が悪くなった気がする


長が目の前で無言のプレッシャーを放ってくる


というかアーモンドの意味を知らないから知りたいって話だったのに


その意味を今答えろなんて無理


授業が終わったら絶対担任のとこに行って文句言おうと決意をした


決して現実逃避している訳じゃない