色葉

秀を見て「むむむ」とうなる愛梨先輩


そこを高橋先輩がコツンと拳骨をする


憎々しげな目を高橋先輩に送る愛梨先輩


「オレが話してる時に割り込むんじゃない」


「いいじゃない。最近ゆりちゃんと会ってなかったからそっくりさんでも会いたいの」


しかし、愛梨先輩は不満げに秀を見る


「やっぱりゆりちゃんには似てないよ。ゆりちゃんはもっと温かゴン」


愛梨先輩の言葉の途中で高橋先輩がさっきより強い拳骨を落とした


「すまん。本当にすまん」


高橋先輩が平身低頭して謝ってる


秀の方は苦笑いを浮べて


「いいんです。オレなら大丈夫ですから。似てるって言われた方がショックですし」


とても失礼なことをサラッと言っている


愛梨先輩と言えば相当痛かったのか涙目で頭を抱えて蹲っている


「ほら水原も謝れ」


そう言って愛梨先輩を立つように促す


愛梨先輩は不承不承立って「ごめん」と謝っているが、嫌々やってますってよくわかる態度だ


高橋先輩はしょうがないなという顔をしており、秀の方も困ったように笑っている


「よし。じゃあ作戦合会議に移るぞ」


凛とした声で緩んでいた空気を変え、教壇に向けて歩いて行く高橋先輩


愛梨先輩も慌てて後に続く


「それでは作戦会議だが、アイディアがあるが提案した作戦について考えるっていう方式をとろうと思う。アイディアがある者はどんどん言ってくれ」


そこでさっきの鈴木くん的な人が手を挙げている


「そこの人どうぞ」


「えっと。先輩はなんて名前なんですか？」


そこで初めて自分が自己紹介していないことに気がついたらしい


「あぁ。そうか。してなかったのか。はははははははは」


とても愉快そうに笑った


「あぁ、ごめんね。これじゃ水原を怒れないな。3年の高橋広之(たかはしひろゆき)クラス長、雛森の補佐って位置かな？」


ちなみに愛梨先輩と言えば「ひろちゃんって抜けてるよねぇ～。」


といらないことを呟いてたのをしっかり高橋先輩に聞かれ、拳骨されていた