「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無理」


蚊の鳴くような声でようやく言えたが相手が許してくれるはずがない



「いいよ。許してあげる」



おぉ~許してくれた


なんでも言ってみるもんだな


「私なんだか急にほっぺにキスしたい気分だなぁ」


「教師だろ!?そんなことしていいと」


「大丈夫。ここは恋愛自由なとこなの」


オレの言葉を遮り断言する


いやダメだろ


だめな法律があったし


世間体ってのが私立では大事だって聞いたぞ


でも言って聞いてくれそうにないし


「起こす言葉かえてください」


せめての抵抗


「試してみたらわかるけどあの言葉以外じゃ私起きないよ」


「どういう生活送ればそうなるんだよ」


「興味あるなら私の家に来る?」


ピキッと固まるオレ


それを見てクスクス笑い


笑い終わるとフラ~っと立ち上がった


「石動くんありがと。気分よくなった」


そう言って必死に立っている感じは貧血で倒れたようにしか見えない


本当に演技?


さっきまで話してたオレまで判断できないのだからすごい


「1時間目数学かぁ。石動くん手伝って」


手を握られ引っ張られ教室を出た


確か担任の担当教科数学だったな


1時間目が授業ってわかってるなら


普通ホームルームの時教科書持ってくるだろ


と思いつつも素直に従った


逆らっても相性が悪いから勝てそうにない