「石動君?」


「はいなんですか?」


「筆箱」


それだけ言って筆箱を頭に押しつけてくる担任


「わかりました。受け取るのでぐりぐり押しつけないでください」


「そう」


残念そうにそれだけ呟いた後何か思い付いたらしい


「立って」


その言葉に素直に立つと今度は「座って」座ると「ん~」と悩み出した


オレダメだ。この人わからない


なんか違う。こういう人を天然って呼ぶのか?


「あぁ」と嬉しそうに声を上げ


いきなり教壇から崩れ落ち、座ってるオレにしな垂れ掛ってくる担任





な、なななにしてるの!?この人!!!!!



待って、いや落ち着け


相手は男かもしれないんだ


ってそれはそれで嫌だな


そんなことを考えているとゾクゾクする感覚


息が耳に当たってるぅぅぅ


気持ち悪いようないいようななんとも言えない感覚に絶叫を飲み込んでいると担任の声


「ちなみに私女性だから」


何で今言う!?


それにしてもさっきまでと一緒の体勢なのにそう聞いた後だと


なんで体の柔らかさや甘いにおいを感じるんだろう?


これ以上は色々限界だと思い



声のする方に振り向き説得しようとするオレの機先を制するように声がかかる


「私の方向くと唇と唇があたっちゃうよ」


ビクッと固まる体


この人なんなんだぁ


さっきまでのホワホワしてた人と同一人物だと思えない


楽しそうにクスクス笑う声を聞きながらそう思う


「決めた。石動くんにしよう」


何が!?オレはここから脱出できるなら何でもいい


と思っているだけで声がでない


声が出るならとっとと絶叫して逃げている


「ねぇ石動くん。石動くんは私を起こす係ね。合い言葉は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」