無駄だろうとは思いつつも抵抗してみると


痛みが増した


頭がとれるぅ


「わかった。逆らわないから。ゆるめて」


どうやらオレの願いは聞きとげられたらしい


痛みが緩む


オレは担任様のお手を煩わせないようにそのままバックししゃがむ


「えっと親に『人と話すときは目を見て話せ』って言われてるのでアイアンクロ-やめてくれませんか?」


やめてくれたらラッキーだなぁくらいで言ってみたが、今日は不運らしい


やめてくれない


担任様は何を思いついたのか手の位置をかえ、首をひねる


そのままだと首がヤバイので素直に従っていると


目が合う位置で止まった


もしかして


目を見て話せるようにか?


「よし。これキミの?」


あぁ当たったらしい


普通に離してくれればいいのに


「キミの?」


担任様はアイアンクロ-をしていない方に筆箱を持って再びたずねてくる


大丈夫です。聞えてますよ


ただどう答えようか悩んでるだけです


・・・・・・・・・・・・素直に言う方が被害が少ないか


「えぇ、オレのです」


「キミうちの子?」


うちの子ってなんだろ?このクラスってことか?


まぁ昨日いなかったしな


「はい。昨日早退した石動陣です」


「あぁ石動くんね。担任の宮下千景」


「えぇ聞いてます」


「そう。で石動君はいつ謝るの?」


「えっと。すみませんでした」


「うん。よしよし」


担任はアイアンクロ-をやめ、頭を撫で始める



やりにくい。何この独特なリズム


オレが悪い訳じゃないのになんで普通に謝ってるんだろ