速やかに担任を排除したのと高橋先輩が教室に入るのは同時だった


「あの、聞いて良いんですか?」


一様礼儀な気がして一番近くにいたオレがそう声をかける


「何も聞くな。オレもよくわからん」


ブスッとした不機嫌が伝わってくる声でそう返す高橋先輩


でも聞きたくなるよなぁ。頬に痛々しいほどに真っ赤な紅葉つけてきたら。


さっきまでなかったことを思えばクラスに帰ったときにできたんだろう


誰にやられたかくらい聞きたいが、やめとくか。


地雷な気がする


そーいえば


「雛森先輩は来ないんですか?」


「なんでそこで雛森の名前が出る?」


睨まれたが、あれ?だって


「雛森先輩この間は真っ先に来たから今回もそうなんだと。愛梨先輩は?」


「さぁな。オレが知るか」


終始不機嫌な高橋先輩は吐き捨てるようにそれだけ言って、オレを避けて全員に声をかける


「今日の体育は自習。着替え次第校庭集合。模擬戦をやるぞ。


特別科の方は向こうに着いてからの話合いが必要だが、認めないならスポーツ科だけでやる


あと、オレに不用意な質問をするな。癪に障る」


オレのせいかな?


不用意な質問って


この高橋先輩は異様な威圧感があり、皆文句も言わず更衣室へ向けて歩き出した


道すがらビンタの後にしか見えないあの顔の理由が掲示板に載ってたりしないか


秀に調べてもらったがなかった


みんなあの威圧感に負けたのか


当事者以外知ってる人がいないのか


見てて哀れに思われる程の理由があるのか


どういう理由か知らないがろくな話ではなさそうだ


とりあえず、皆が口を閉ざしている現状で無理矢理聞き出すほど勇気のないオレは諦めることに決めた



知らなくていいことの方が人生には多い