鬱々としながら古川つばさの後を追っていく


終始会話はない。でもまぁコイツとならこっちの方が気楽だ。話したら何をされるかわかったもんじゃない


古川つばさが口を開いたのは図書館にあるパソコンの前に座ってからだった


「で、宮下先生の性別だっけ?」


「そう。それを調べてくれ」


ってオレの返事は聞いていたのかいないのか。パソコンに没頭してる


「先生の性別のデータくらいならパスワードついてないわ。」


「本当か!?」


「えぇ、宮下・・・・・・宮下、宮下。これね」


「で、結果は?どっちだ?」


焦らすな!!と言わんばかりに顔を近づけ答えを急かす


「女性ね。ふ~んあの人女性なのね。言われれば確かにそう見えなくもないけど」


古川つばさの言葉は頭に入ってこなかった


女性?ならオレは昨日女性と・・・・・・・・・・・・・・・初めてキスした女性が千景先生!?


色々と絶望の淵に追いやられているオレは気がつかなかった


あまりに必死なオレの姿に女帝の理性が戻ったことに


「ねぇ、なんでそんなに知りたがったの?」


「え!?それはあの見てて気にならないか!?あの中性的な感じだし、どっちとも取れるような人でさ」


「確かにそうだけど、それにしてはこだわり方が普通じゃないわね。陣がここまでするってことは、何かあったでしょ?」


鋭い。確かにこだわり方が異常かもしれない


でも、認めるってことはあのことを話すってことであり



無理!!!!


こんな話をコイツにしたら何されるか


事故で女の子に抱きつかれた時は1週間に及ぶ嫌がれせを受けた過去がある


恐ろしくてとてもじゃないが本当の事は言えない


かと言って、この古川つばさに嘘を信じさせるなんて不可能だ


ここは一つ、





三十六計逃げるに如かず!!




とりあえず、全速力で図書館から逃げた